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対等㉑
カランと音がして見ると伊織さんと沢木さんが
店に入ってくる。
「いらっしゃいませ。」
いつもの席に座るのを確認すると
水の入ったコップを持って行った。
「柚くん。こんばんは。俺はモカとチーズケーキ。
伊織はいつもの・・・・。」
「ブレンド。」
伊織さんは打ち消すようにそう言って
煙草に火をつける。
へ。と沢木さんは口をぽっかりと開けた。
「伊織。ブレンドってなんだよ。
そんなの頼んだ事・・・。」
「かしこまりました。」
大きな声でそう答えると
へ。と今度は俺へと視線を向ける。
「柚くん?」
よし。やってやる。
絶対納得させてやる。
ドシドシとカウンターに向かって
歩いていく俺の後姿と
悠然と煙草を吸う伊織さんを交互に見比べ
「・・・なんだ一体。また何かやらかしたのか。」
沢木さんは はあ。。と大きなため息を吐き
天を仰いだ。
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