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ビジネス⑪

まあね。 楽しみが何もない奴だから。 趣味なんて時間の無駄。恋愛はしない。 ただひたすら仕事をして 数時間の睡眠でまた仕事。 そりゃ倒れるよねぇ。いくら伊織でも。 俺はたまに息抜きしたり 違うスタッフに代らせたり 出来るからいいけど 伊織に代わりは居ないしね。 でも 最近はよく柚くんに会いに行く。 彼の店の定休日や定休日前のスケジューリングは あまり詰め込まない様にして 会いに行けるように調整しているくらい。 あまり話したがらないけど なんだか楽しそうなんだよなぁ。 年齢幅もあるし 何の話しているのか興味があって 一度 俺も一緒にと言ってみたら 「四六時中お前の顔を見ているんだ。 プライベートくらい ついてくるな。」 ピシャッと跳ね除けられた。 プライベート。 伊織がプライベートだって・・。 そんな物 ほぼ無い奴が プライベート・・。 おかしくなっちゃって笑うと また機嫌が悪くなり 慌てて口を押さえた。 まあ。いいんじゃない。 何故か効果も出ていて 相変わらずの口調では あるけれど 横暴さは薄れ 代わりに 部下に対しても きちんとした説明による論破へと変貌を 遂げつつある。 ビジネスにおいて対等。 柚くんに言われた言葉がかなり刺さったらしく 対等でないからといって 横暴でいい訳でも無いとも 学んだらしい。

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