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ビジネス⑮

ああ。そういう事か。 かなり美形で社内でもナンバーワンの呼び声高い 碓氷に浮いた話一つ聞いた事もなかったから どうしているのかとも思っていたけど。 まさか 柚くんとはね・・。 人気あるんだなぁ。 まあ。確かに可愛いし いい子だし。 わかりやすくて サバサバしてて。 でも。本人はそっちじゃないらしいし 未だに友人なら 片思い継続中って所かな。 へえ。完璧なこの子にもそんな弱点があったとは。 とはいえ ビジネス継続中に 火種は消させて貰わないとね。 「まあ。確かに伊織は柚くんに頼み事をしてる。 彼はそれを了承してくれてさ。 最初は色々いざこざもあったけど 今は仲良くしているみたい。 君が心配なのは分かるけど 部外者が口を出す事じゃ 無いんじゃないかな。柚くんが嫌だと 言わない限りね。以上です。」 話を切り上げ 資料へと視線を戻す。 碓氷は唇を噛み締めたまま 頭を下げ 足早に部屋を出て行った。 沢木は顎に手を当てデスクに膝をつき はぁ。とため息を吐く。 この事は伊織には黙っておいた方がいいな。 トラブルにならないといいけど。 とにかく 還暦祝いまでは波風立てずに うまく治めたい。 その後はどうなろうと別に構わないし 伊織だって 今は物珍しく 楽しいとはいえ そのままその関係を継続する筈なんてない。 恋人らしく見えればいいんで 恋人じゃないんだから。 ・・って恋人なんて伊織には無縁だったな。 アラームが鳴り 立ち上がる。 資料を持って沢木は社長室へと向かった。

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