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ビジネス⑳

「・・・おでん屋が定休日だと言われ だったら屋上飲みはどうだと彼に提案された。」 ああ。そうだったのか。 「あの店の屋上なら気持ちがいいだろうな。 川が目の前だし 柚くん。料理上手だしね。」 そう言うと伊織もコクンと頷く。 「その前にオムライスを作って貰った。 お前があまりに旨かったと連呼するから 食いたいと言ったら作ってくれて・・・。」 「旨かっただろ? 柚くんのオムライス 昔ながらって感じでいいよなぁ。」 ああ。と頷きながら煙草に火をつける。 「その後屋上に上がり酒を飲み キスをして・・。」 キス。 え? 「キスって・・・。柚くんと?」 驚き 大声を上げると訝し気に睨みつけられた。 「何故驚く。お前が恋人らしく見える様に 擦り合わせをしろと言っただろう。 彼は俺を友人だと思っているようだったし あのままでは誰が見ても恋人には見えない。 それに・・・・・。」 そこまで言って首を捻る。 ん。 「どうした?」 「いや・・。 まあ。キスをした時に そこまで考えていたかと言われればそうでもない。 言ったように顔は好みだし性格もいい。 口調は雑だが 真面目で好感が持てるし  旨い飯や酒も知っている。 何よりちゃんと話が出来 自己主張が出来る。」 うん。。つまり気に入ってるって事ね。 で。キスしちゃったと。 柚くん。吃驚したんだろうなぁ・・・。 ああ。それで怒られたとか。 拒否られたとか。。か? 「で? それで喧嘩になったの?」 いや。と首を振る。 「金の話をした。」

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