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ビジネス㉖

拓真は言い過ぎたと思ったのか 表情を強張らせ 固まってしまった。 コイツも握る拳が震えてる。 らしくない。 なんでだろう。 ダメだ。 このまま話したら 余計に拗れるような気がする。 とにかく一旦落ち着いて・・。 深呼吸を繰り返し 声音を敢えて変えた。 「もう止めようよ。俺もちょっと疲れてて カッとなっただけだから・・。」 「好きだったんだよ。」 拓真はまた俺を遮り そう言った。 え? 意味がわからず 一瞬で固まる。 「柚の事。ずっと好きだった。 でも 言ったら友達としての関係も終わる。 お前が女にしか興味ないのは知っていたし 彼女の話も散々聞かされたからな。 だから何も言わなかった。 傍に居られなくなると思ったから 俺はずっと何も言わずにいたのに。 なのにお前は。知らぬ間に洲崎社長と・・。」 まるで責めるような目つきで俺を見た。 え。 好き・・。

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