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ビジネス㊸

「あ・・あの。」 「悪かった。またそんな顔をさせようと 思った訳じゃ無い。ただ君が欲しいと 思ったからそうしようとしただけで 無理強いするつもりはない。」 トントンと背中を叩かれる。 その手が優しくて。 なんだよ。それ。 こんなの絆されるに決まってんじゃん・・。 「・・伊織さん。ちゃんと謝まれるように なりましたね。最初なんて聞こえないくらい ちっさい声だったのに。」 誤魔化すようにそう言うと 体が離れ 顔が近づく。 「そういえばそうだな。君が嫌がると 何故か無性に悪い事をした気分になる。」 そう思ってくれてるんだ。 なんだか嬉しい。 でも。 俺たちはビジネス上の関係。 忘れちゃいけない。 それが根底にあるのは事実で・・。 ふう。と息を吐き出して伊織さんを見上げる。 「そういう所は好きです。」 揶揄う様にそう言うと 伊織さんは顔をしかめ 「対応一つ一つで好きかどうか違うのか。 それは時間がかかりそうだな。」 くすっと笑い またぎゅっと強く 抱きしめられると顔が近づく。 生温かい唇が合わさった。

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