84 / 121

鳩時計②

「頭まで悪いのね。一体どういう手を使って 伊織に近づいたのかしら。 つまり この汚い店を失いたくないなら 伊織から手を引けと言っているんです。 お分かりかしら?あの子はうちの大事な跡取りです。 それをあなたみたいなどこの誰かも わからないような輩に誑かされて・・。 全く。恥さらしもいい所だわ。」 ふん。と踵を返しドアへと向かう。 男性がドアを開けると そのまま 外へと出て行った。 「そういう事です。期限は今週一杯。 連絡先はそこに書いてありますのでご連絡を。 あなたも一国一城の主として 大事な居場所は失いたくは無いでしょう。 恋愛など。大した事ではない。 伊織様から手を引いて下さった場合は 言い値の慰謝料をお支払い致します。 利口に立ち回るべきなのでは? では。失礼。」 にやりと笑い男性もドアを開け 外へと出て行く。 柚はペタンとその場に座り込んだ。 あれが。 そっか。 俺の事を調べて こっちにプレッシャーを かけてきたんだ。

ともだちにシェアしよう!