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鳩時計③

店が取られる。 じいちゃんの大事な店が奪われる・・・。 携帯を取り出し 伊織さんの連絡先を出して ボタンを押そうとした指が止まった。 ・・こんな事があったって言ったら 伊織さん。縁談を了承するんじゃないのかな・・。 俺がそういう目に遭う。って知ったら 店を守ろうとしてくれそうな気がする。 あの人は俺がこの店をどれくらい大事に 思ってるか知っているし。 それをなんとも思わない人じゃ無い。 巻き込んでこんな事になったって知ったら ビジネス自体 取り止めにするだろう。 ・・あれから。 ぎくしゃくしたあの時から伊織さんは すごく優しくなった。 醸し出す雰囲気も柔らかく 一緒に居るのがすごく楽しくて・・。 「ビジネスにおいても 恋人として 誰が見てもそう思われるようにする上では 君に全てにおいて好きになって貰う方がいいだろうと 熟考しての結論だ。俺はまだ勉強中だからな。」 なんて言って ニヤッと笑って。 相変わらず理解できない事も多く でも前みたいに上から目線で押さえつけるような 事はしないし なんとか話し合いで 解決しようと 一生懸命話してくれる。 「自分が思う事ははっきりとわかるんだが 君が考えている事がどうもわからない。」 そう言いながらも 一生懸命聞いてくれて 頭をひねりながら考えてくれる。 対等に扱ってくれてる。 この人が。 それだけですごく嬉しくて。。。

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