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第9話

 学校が終わり、空を見上げると白い空から白い雪が次々に舞い落ちてくる。今日はレンタルショップでバイトだ。6時から10時まで、大した収入にならないがお母さんの負担を出来るだけ少なくしてあげたい。大学は奨学金だが、俺の食費、家の家賃、光熱費、女で大学生を育てるのは大変だろう。正社員で働いている運送会社の事務も15万くらいの収入らしいから。そうだ、来週は給料日だ。しゃぶしゃぶ屋さんに連れてってあげようかな。お母さんが喜ぶ顔が目に浮かぶ。  レンタルショップはレジをしたり商品の陳列をしたり、お客さんに訊かれた時も何が何処にあるか出来るだけ把握していて教えてあげられるようにしている。パソコンで検索すれば簡単に分かるのだが、もう2年も働いているのでプロとしての意識を持たなければいけないと思っている。今日は俺と同じ年くらいの男の子がアダルトのDVDを何枚も借りに来た。決して珍しくはないので普通の顔をして対応する。  バイトを終わらせ家に向かって歩いていると雪で足が滑った。そのまま転ぶと雪でデニムが白くなり、たくさんの雪が付いた。俺は顔を歪めて笑う。長靴を買っておけば良かったんだが雪道を甘く見過ぎていた。明日はデリヘルの出勤日だ。ちょっと遠回りして靴屋で長靴を買って帰ろうか。だが、帰り道から靴屋さんまでは遠い。雪道を歩くのは思いのほか困難だ。明日待機室に行く途中に買おうか。流石にデリヘル嬢が長靴だったら可笑しいから替えのスニーカーを持っていけばいいだろう。

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