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第9話 ストレッチは何の時間 2

・・・来る。今日も来る。 ストレッチなんだかセクハラなんだかよくわからない榛との10分間が・・・ 「先輩、今日は足もたついてたんで、足中心に伸ばしましょーか」 「・・・そーだな」 誰が足もたついてたんだよ!てきとーな事言うな!・・・って言えたらいいのにな、しくしく。 「じゃ、仰向けに寝て、片足上げて膝曲げてください」 榛に言われた通りの、体勢をとる。 「膝、押しますね」 「おう」 曲げた膝の上から榛が手でぐぐっと押してくる。 ・・・なんだ、今日はくっついてこねーのか。 違う違う。別にがっかりとかしてねーし! あー、よかった!今日は平和に終われそうだ! 「もうちょい、力入れた方がいいですか?」 「そだな。入れて」 そう答えた途端、曲げた片足に榛が体を乗っけてくる。 「痛たたた!痛いって!重い!」 「いつも後ろからで顔見えなかったし、これならあきの顔、見えるわ」 榛が正面から覆いかぶさった形になって、顔が近くなる。 ちょ、ちょっと待て。これ、なんか、体勢が床ドンってやつなんじゃ・・・ 「はは、あきの事見下ろすこの眺め、すげーいいな」 「おまっ!マジ何言って、痛い痛い痛い!」 榛が俺の足にのせた体で ぐっぐっと押して来て、背中が床に擦れて痛い。 「ちょ、榛、足より背中痛いんだって!」 「やっぱ、床の上は嫌?ベッドがいい?」 「・・・は?」 何言ってんだ、こいつ・・・ 「これってさぁ、セックスしてるみたいに見えない?」 「・・・え?」 そう言われてみれば・・・ 榛が上に乗っかってて動く度に、俺も同じリズムで揺らされてて・・・ 気づいた瞬間に、顔がめちゃくちゃ熱くなって、耳まで真っ赤になるのが自分でもわかった。 「あき、顔真っ赤じゃん、かーわいい。でも・・・」 「い、い、痛っ、痛いって、痛!」 榛が更に体重をかけて早く動く。 「あきが、入れてって言ったんだろ?ほんとに入れてもいーんだけどな、俺は」 「ちがっ、入れて、欲しい、のは、力をって、意味でっ、痛い、マジで!」 自分の足が腹を圧迫して、声が途切れ途切れになる。 「なに、それ。喘いでるみたいで、めっちゃエロいんですけど」 ああ・・・やっぱり普通で終われないのか、今日も・・・ キャプテン、早く交代のホイッスルを~! ピーーーーーッ 「はい、交代ー!」 ホッ。やっとで開放される・・・ 「次はあきが上で俺が下だから、騎乗位バージョンだな。楽しみだな~!激しくしてくれていいですよ、センパイ!」 「まじか・・・」 「みんなに見られながらあんあん言ってくださいね、センパイ!」 「言うか!」 なんでこんなイキイキしてんだよ、こいつ・・・ そしてなんでこんなドキドキしちゃうんだよ、俺! 今日も部活終了間際になって、大きく体力と気力を削られる俺だった。

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