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第20話 彼氏のお仕事 1
翌日の朝
早めに迎えに来いと榛に言われていたので、学校に近い榛のアパートに7時半に着くように家を出た。
送られてきたマップによれば、ここの103号室。
高校生の一人暮らしなんて言うから、ボロアパートを想像していたのに、まだ新しそうなレンガ色のオシャレな外観のアパートだ。
電話で呼び出そう。
『ハイ』
「あ、榛?着いたし出てこいよ」
『まだ着替えてない。鍵開いてるから入ってきて』
「・・・わかった」
早めに来いって言っといて、まだ着替えてないのかよ。もっと遅くてもよかったな。
ガチャ
ドアを開けて部屋の中に入る。
1LDK、かな?リビングらしき部屋にはテレビとローテーブルと敷かれたラグがあるだけ。
キッチン横が壁で仕切られていて、その奥にドアがある。寝室ここか?
コンコンコン
ノックするが返事はない。
「榛?入るぞ」
寝室に入ると、榛はまだベッド上で布団をかぶったままの状態。
「遅い」
「遅くないだろ。まだ寝てたんだろ?」
布団を捲ろうとした手を榛に引かれて、布団の中に引き摺り込まれる。
「な、何してんだよ!早く起きろよ!」
Tシャツにハーフパンツという薄着の榛に、布団の中で抱きつかれて、心臓が暴走したように脈を上げる。
「おせぇんだよ、もっと早く来いよ。とりあえず謝れ」
俺が悪いの!?
「早く来て欲しいなら、早く着替えろよ!」
「あき、着替えさせて」
「は?なんでだよ!甘えんな!」
「甘えたっていいだろ。彼氏なんだから」
彼氏・・・。でもそれは建前だけであって、ただ俺に復讐するだけの・・・。
ん・・・?なんか、腹に硬いものがあたって・・・
げ!榛、朝勃ちしてんじゃん!
しかもなんか、思ってたより立派・・・?
やべ、変な気分になってくる、早く布団から出ないと!
「は、榛。着替えさせてやる!だから離せ!」
「やっぱ着替えはいいや。それよりこっち」
榛が腰をぐっと突き出してきて、生理現象で大きくなっている股間が俺の腹に密着する。
ひぇぇぇぇ~。こ、これをどうしろと!?
確かに俺はゲイかもしれないと自覚はしている!でも、でも、実戦経験はもちろん無いし、こういうのには疎いほうなんだよ!自分でだって最低限しかやってないのに!
「まさか、やり方知らないなんて言わねーよな?あき、童貞?」
「し、知ってるに決まってんだろ!バカにすんな!」
嘘だ。本当はよく知らない。童貞と言われたことに悔しくて思わず知ってると言ってしまったが、自分でやる時だってただただ扱くだけで何のスキルもない。
「じゃあ、あきがいつも自分でやってるみたいにやってよ、俺の」
「え!?」
「彼氏なんだから、エッチなことしたっていいじゃん。早く触ってよ」
そんな・・・。他人のなんて触った事もないのに。しかも初めて触るのが、経験豊富な榛のやつなんて、ハードル高すぎだろ。
!
動けずに固まっている俺の腹に、榛が朝勃ちしている中心を擦りつけてくる。
「早く触れよ。じゃないとこのままあきの腹にぶっかけちゃうけどいいの?」
「ダメ!制服が汚れる!」
「だったら早くしろよ」
ぐぬぬ・・・。や、やってやる。触ってやる。こんなん、俺のよりひとまわり大きいだけのただの生殖器だ!同じヒト科として、ついてるもんは同じなんだ!ドキドキする必要なんてどこにもないだろ!
俺は、自分の腹に密着している榛の中心に手を伸ばす。
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