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第24話 正式彼氏 3
俺に虐められて、傷付いてたって言ってたよな?
俺に対する嫌がらせだって、俺を困らせるためにやってるだけだろ・・・?
彼氏になったのだって、今さっきの行為だって。
俺が榛を好きかどうかなんて、どうでもいい事なんじゃないか・・・?
「これで、自分がゲイだって自覚した?」
「・・・少しは・・・・・・わっ」
榛に胸ぐらを乱暴に掴まれて、顔が接近する。
「まだ足りない?」
「・・・え」
「どんな事したら、あきは男が好きだって胸張って言えんの?」
さっきまで優しかった榛の表情が険しくなる。
「例えば、無理矢理にでも俺があきにねじ込めば、ちゃんと男が好きだって思えるようになんの?」
榛が、俺にねじ込む・・・?
「ばっ、バカなこと言うな!そこまでして、わかりたくなんかないんだよ!」
ねじ込まれてたまるか!
「・・・ほんとムカつく」
榛の目が鋭く光って、胸ぐらを掴まれたまま床に押し倒される。
「痛・・・っ」
突然の事に油断した俺は、うつ伏せに床に抑え込まれ、下着を膝まで下ろされてしまった。
再び硬くなった榛のものが後ろに押し付けられ、あまりの痛さと恐怖で体が震えてくる。
「嫌だ、・・・頼むからっ、入れんなっ」
それでも押し進もうとしてくる榛。
無理だ。そんなとこ、絶対入らない。
「榛・・・っ、やだ、なんでもっ、するから!もう、やめ・・・」
痛すぎて涙が出てくる。
「・・・なんでも?ほんとに?」
「なんでも!・・・っ、だからっ!」
榛の動きが止まって、解放される。
「あき、俺の事好きになって。お願い」
え・・・。
「・・・榛、俺の事嫌いなんだろ・・・?」
「・・・・・・嫌い」
だったらなんで。意味がわかんねぇ。
「俺が榛を好きになったら、困るのはおまえだろ・・・?」
「・・・リベンジしたいから。あきに虐められてた事」
ますます意味がわからないんですけど。
でも、それで榛が納得するなら・・・。
「わかった。努力はする。でも、もしどうしても好きになれなかったら・・・」
「そん時は、ねじ込んでやる。あきが泣いても喚いても、血塗れになっても」
ぞぞぞぞぞ~!
こっわ!やっぱこいつ、オカシイわ・・・。
「わかった!で、でも今すぐには、難しい!だから、時間くれよ!」
「・・・じゃあ、三ヶ月。その間に好きになって」
「三ヶ月・・・」
長いような、短いような・・・
「それ以上は待てないから。ただでさえ学年違うんだから、一緒にいれる時間は限られてんだし」
「・・・わかった」
榛が何を考えているかさっぱりわからない。
もし榛を好きにならなかったら、俺はレイプされるって事か?
もし、榛を好きになったら・・・。どうなるんだろう。
「あ。あきのこと嫌いでも、彼氏である事は事実なんだからな!忘れんなよ!」
「え!?ああ、うん」
嫌いなのに彼氏って・・・。それでいいのか、榛は。
「じゃあ、今度こそ帰るわ。またな」
俺は制服を正して、玄関のドアを開ける。
「あき!・・・明日、朝ちゃんと来いよ」
榛の表情がなんだかさみしそうに見えて、俺は手を伸ばして、ポンっと榛の頭にのせた。
「7時だろ?ちゃんと来るって」
「・・・うん」
嬉しそうに顔を赤らめて榛が頷く。
嫌いなやつに向かってこんな顔できるなんて器用なヤツ・・・。
俺は三ヶ月後の自分を想像して、恐怖を感じながら帰った。
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