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第27話 男×男 3
「あきは目瞑っててもいいよ」
そう言うと榛は顔をゆっくり近付けてくる。
・・・あ、キス・・・。
反射的に目を閉じると、榛の形の良い唇が俺の薄い唇に重なる。
抵抗はしなかった。強引でも、無理矢理でもない。
俺は、自分の意思で榛の唇を受け入れた。
薄く目を開けると、少し驚いているような榛の顔が間近にあって、急に恥ずかしくなる。
「次はどうしてたっけ?」
「え、次・・・」
えっと、キスが激しくなって・・・
「言ってよ、あき」
「え!?・・・ディープキ・・・っ」
言い終える前に榛の熱い舌が侵入してきて、歯列に沿うように内側から歯茎を舐められて、一気に体温が上がってしまう。
なに、これ。ディープキスって、そんなとこまで舐めるのか!?舌絡めるだけじゃ・・・?
上顎を榛の舌が滑って、耳の奥をゾワゾワとくすぐったいような快感が走る。
「あ・・・あ、は・・・」
息なのか声なのか分からない音が自分の喉から漏れ出していた。
隙間がないくらいにふたりの唇が重なって、舌が絡まっていく。
息が出来ないくらい苦しい。・・・でも苦しい以上の何かに体が溺れそうになる。
「男からキスされて気持ち悪い?」
「・・・気持ち・・・悪く、ない」
気持ち悪くなんかない。気持ち良すぎて、どうにかなりそうだった。
「次、覚えてる?」
「え・・・と、確か、首を・・・」
榛の唇が耳たぶの後ろに押し当てられて、首筋を甘噛みしながら鎖骨に向かって進んでいく。
くすぐったさと快感で体が震えた。
「こわい?」
「え!?」
「・・・震えてっから」
「こ、これは、怖いとかじゃな・・・くて」
気持ち良くて・・・ってゆーか、なんなんだよ!そんなに俺の反応いちいち確かめなくても、いつもみたいに無理矢理やればいいだろ!
その方が、言い訳でも抵抗でもなんでもできるのに・・・。
こんな風に扱われると、勘違いしちゃうだろ・・・。
「次は?」
「え、次・・・は、ち、ちく・・・」
「あき、なんだかんだちゃんと観てたんじゃん」
ぐ・・・。図星なだけに言い返せねぇ。
Tシャツを捲り上げられて、胸から脇腹にスルっと榛の手が滑る。
「んっ」
思わず腹に力が入って声が出てしまう。
「あきの体、細くて締まってて、マジできれい」
榛の言葉に顔から火が出そうになる。
男の体にきれいとか!やめろよ。ほんとに・・・
榛の唇で胸の突起を摘まれて、先端を舌で何度もつつかれる。
始めはただくすぐったいだけだったのに、いつの間にか腰が浮くほどの快感で、頭がぼーっとしてくる。
「榛っ、痛いっ」
「あきの乳首、やらしくなっちゃった」
甘噛みされたり、舐められたり、指で転がされたり、気付けばジンジンと痛み赤く膨らんで、自分で見ても卑猥に思えた。
「次は・・・あきならちゃんと覚えてるだろ?」
「つ、次・・・は・・・あ!」
下に履いていた物を榛に一気に脱がされて、下半身が晒される。
「あき、なんでこんなパンツびしょびしょなの?」
自分が履いていたパンツを目の前に突きつけられて、愕然とした。
前の部分が濡れて、そこだけ色が濃くなっていた。
え・・・、なに、なんで・・・。
自分の下半身を見ると、反り勃ったものの先端の穴から透明な液体が腹に滴っている。
「カウパー出しすぎでしょ。どんだけ感じてんの?い・ん・ら・ん」
言われた瞬間、耳まで熱くなるほどの恥ずかしさが込み上げた。
「ああ、あきのそーゆー顔、見たかったんだよね、俺」
「くっそ・・・変態!」
「変態はどっちだよ。こんな乳首腫らして、ギンギンに勃たせて、ヨダレ垂らしまくってさぁ」
「・・・っ」
なんだよ。結局こうやって俺の事罵りたいだけかよ!
「ほんと、最高にカワイイよ、あき」
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