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第32話 好き 1

榛とセックスした日、俺はどうやって家に帰ったかも分からないくらいクタクタになっていた。 結局、榛からは何度も『好き』と言われたけれど、俺からは言うことができなかった。 確かに、榛の顔も体型も好みだ。不覚にも何度もトゥンクしてしまったこともある。 ・・・・・・・・・でも、あんなに変態だとは、思ってなかった。 ミニバス時代から、俺の事好きだったって言ってたな。 てことは、榛もゲイだって事だよな・・・? いや、女とヤリまくってたはずだから、バイ? どちらにしろ、榛と付き合ってる限り、俺は掘られ役だ。なんか、損してる気分だな・・・。 俺だって男なんだから、榛のあんあん言ってるとこ、見たい。 翌日 いつものように、朝、榛を起こしに部屋へ入る。 ・・・やっぱりまだ寝てる。 俺は布団の上から榛の体を揺すって起こす。 「榛!朝だぞ!起きろ・・・ぐえっ」 突然布団が捲れて、榛が抱きついてくる。 バランスを崩した俺はそのまま倒れて、榛に覆い被さる体勢に。 「何やってんだよ!痛てぇだろ!」 「あき、おはよ。好きだよ」 まだ眠そうな顔でふにゃっと榛が笑う。 う・・・!か、かわいい・・・。 このまま俺が襲ったら、もしかしたらヤらせてくれるかも・・・? 榛に、ちゅ、とキスしてみる。 「あき・・・?」 榛は、俺からのキスに驚いたのか、大きな瞳をさらに大きく丸くする。 「榛、俺の事ほんとに好き?」 「うん。大好き」 痛いくらいにぎゅううっと榛が抱きついてくる。 ・・・これは、イケる! マウントとってんのは俺だ! 「じゃあ、俺も挿入れていい?」 「あき・・・」 今度は榛が唇を寄せてくる。榛の舌が甘えるように入ってきて、俺はそれに応える。 榛のTシャツの裾から手を滑り込ませて、胸の突起を指の腹で転がす。 「ん・・・あき・・・」 榛、感じてる?よっしゃあ! 榛が漏らす吐息に興奮して、下半身が熱くなってくる。 制服のジャケットを脱いでネクタイを外すと同時に、榛にベルトを緩められ、ズボンを脱がされる。 榛が下着の上から大きくなった俺のものに触れる。 「あき・・・早く」 榛が誘うように目を細めて求めてくる。 ヤバイ。めちゃくちゃかわいいじゃん! 「なーんて言うと思った?」 「え・・・」 その瞬間、視界がぐるんと回転して、榛の背景がベッドから天井へと切り替わる。 「あき、そんなに挿入れたいなら、思う存分挿入れてあげる」 え?え? 戸惑っている間に、下着を剥ぎ取られてしまう。 榛はハーフパンツのポケットからミニサイズのローションを取り出し、俺の後ろに押し付け一気に注入する。 「あっ、やめっ・・・ひっ」 すかさず榛の長い指が入ってきて、全身が震えた。 「昨日いっぱい拡げたから、ズブズブじゃん」 「あ・・・んっ、おれ、・・・いれ、られたいん・・・じゃ・・・なっ、ああっ」 二本の指で敏感な所をトントンと刺激されて、抵抗したいのに、腕にも足にも力が入らない。 「気持ちいい?ね、言って、あき」 「ん、んっ、き・・・もちい・・・」 「挿入れるだけの方だったら、こんな気持ちよくなれないよ?いいの?」 気持ち良すぎて、もうずっと抱かれる側でもいいか、と思ってしまう。 「あ・・・やだ、きもち・・・く、んっ、なり・・・たい」 「ふっ、あき、かわいすぎ。もっと気持ちよくしてあげる」 指が抜かれて、榛の膨張したそれが押し入ってくる。 「あぁっ、あ、やぁ・・・」 「あきのなか、めっちゃ熱い。気持ちいいよ。大好き」 榛の唇と『好き』が何度も落ちてきて、俺は揺さぶられながら、榛の首に必死でしがみついていた。このままこの行為に、榛に、溺れてしまわないように。

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