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第2話

 その俺の呟きに対して『はぁぁぁ!?』と叫んだ桐は頬を腫らしながら今、俺と共に食堂に来ていた。なんのためかだなんて、無論近くであの転入生を見るためだ。 「なに、頭おかしくなったの?」 「ざけんな」  引き気味な目で見てくる桐の頭を叩きながら、遠巻きに見られているものの隅っこの方で入口を伺う。 こんな目立ってたら意味ないと思うけどねぇ、とか呟く桐には同意するが、目立たなくなる方法がない。これは仕方がないことだ。 「あ、来たみたい」  桐のその言葉に、すぐさま入口を食い入るように見る。そこには確かに、昼頃に見た転入生の姿があって生で見るその綺麗さに思わず呼吸が止まる。  転入初日だからか、食堂には慣れていないようで、そばに居たやつと話しながらきょろきょろと席を探していた。  その様をじっと眺めていると、バチッと音がするほどに目が合い思わず桐を見る。 「どーしたよ」 「目ぇ合った」 「おま、お前は初恋真っ只中の中学生か......!」  青い目が綺麗だった、と感想を言うとバンバンと机を叩きながらさらに笑われる。普段なら殴るところだったがそれどころじゃあない。生で見た彼の目は吸い込まれそうな程に綺麗で、透き通っていた。ハーフなんだろうか。 「あの、」  1人内心で動転している間に声が掛けられ、思わず癖であ゙? と凄む。が、振り向いた瞬間に後悔した。 「ここ、相席いいですか?」 「おいっやめとけって!」  ちらり、と機嫌を伺うように見上げてくるのはさっき目が合ったばかりの転入生。友達らしいやつが止めに入っているのも気にしてないのか、青い目がじっと見てくるそれに耐えきれずに顔を見るのをやめて桐の方を向く。 「......好きにしろ」 「ありがとうございますっ!」  パァっ、と音が聞こえてくるほどに喜んでいるのが見ていなくてもわかり、少しだけその顔が見られなくて残念だと思う。が、いま転入生を見れば俺がダメになる。 「おま、ほんと、っくくく......!」 「るせぇよ」  我ながらわかりやすい反応をしているような気はするので口だけに留め、ようやく食事にありつく。周りではざわざわと俺が相席を許したことについて話していたが、興味は無かった。

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