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第6話

 黙々とまた食事を食べ始めた時、なにかに気づいたらしい桐が俺に耳打ちしてくる。 「なんか相楽の友達変じゃねぇ?」  控えめにちらりと覗いてみる。  ......言われてみれば、どこか遠い目をしていてげっそりしている。昨日はまだ怯えるだけだった気がするけれど。 「......俺らと相席で疲れてるだけだろ」 「んー、そうかぁ?」  腑に落ちない様子だが、大人しく離れた桐。別にそこまで気にすることじゃないと思うが、なんでそんなに不思議そうにしてるんだか。 「先輩?」 「ああ、いや、悪い」  ついぼーっと見てしまっていたらしく、ふいに顔を上げた相楽と目が合いぱっと視線をずらす。  相席できるのは嬉しいが、このまま続けば俺の心臓が持たないかもしれない。 「あっ、先輩ってお昼とか、どうされてるんですか?」  急に投げかけられた質問に一瞬固まる。脳内を駆け巡る思考。  これはもしや昼の誘い? そういや昨日から相楽の態度は普通だが俺らのことが怖くないのかエトセトラエトセトラ。 「あー、朝コンビニで買って屋上で食ってるよぉ」 「......そうなんですね、よかったら一緒に食べませんか?」  固まっていた俺に代わり答えてくれた桐の対応に内心感謝しつつ、相楽の言葉に思わず顔を見る。  すると、にっこり笑顔な相楽が目に入った。  あ、ダメだ。 「ぅわっ、ちょっと、フジ!」 「......好きにしろ」  顔が熱くなるのを抑えながらなんとか返事だけして早足に桐を引っ張っていく。  後ろでは、何か相楽の声が聞こえた気がしたけれど多分俺への返事だろう。 「先輩、可愛いなぁ」

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