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第16話※

「ねえ、そろそろ大丈夫かな?」 「う、ぁっ、きゅーに、うごくなっ」  しばらくして、我慢できないとでも言うように腰を擦り付けられ、その刺激でまた声が漏れる。  うごくな、とは言ったもののもう苦しくないのはお見通しなのか、さやはゆっくりと動き始めた。 「ん、んんっ、」 「やば、すぐ出ちゃいそ......」  体勢がまた四つん這いに戻り、萎えかけていた俺のものを刺激しながらゆるゆると動かれる。だけど全部の動きがさっきと比べて緩すぎて、なんだか物足りない。 「うごく、なら、うごけっ」 「あはは、腰振っちゃって可愛い。わかった、うごくよ」  笑われたのを恥ずかしく思ったものの、そんなことが一瞬で飛んでいくほどの快感が背筋を走る。  腰をがっしりと掴まれ、逃げ場のないままガツガツと奥まで突かれてさっき動けと言ったばかりなのに、思わず止まれと喘ぎながら訴えた。 「動けって言ったのは、先輩ですよ」 「ひあっ、とま、れってぇっ、」  絶え間なく届く快楽に目の前がチカチカする。もう既に気持ち良すぎて辛いというのに、さやは前にまで手を伸ばしてきてキャパオーバーだ。  直接的な刺激のおかげで吐き出すことは出来たけれど、イった直後も止まらない動きには震えるしかなかった。 「っ、くるし、ひぁっ、さやぁっ」 「っ、ごめん、余裕ないっ」  苦しげに呟いたさや。  中で行き来しているものがどくどくと脈打ったかと思うと、一番奥に来た瞬間に少しだけ膨らみ、ぼんやりと暖かいものが感じられた。  後半ほぼイキっぱなしだった俺はようやく終わった行為に息も絶え絶えで、体に力なんて入るわけがなかった。  ずるりとさやのものが抜かれ、俺の体は支えをなくしてぺたりとベッドにひれ伏したが、気にせず後ろを振り返る。 「っは、おわ、り......?」 「......先輩、その顔可愛いけどもっかいしたくなるのでやめてください」  さやのその言葉にばっ、と顔をふせれば後ろから笑う声。俺にはもう体力なんてないんだ。  だけど、体は俺が思ってる以上に疲れていたらしく、そのままあっという間に1人眠ってしまっていた。

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