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第17話 7

翌朝、とても幸せな気持ちで、祥吾さんの腕の中で目が覚めた。 毎朝、祥吾さんの腕の中で目が覚めるんだけど、今日は格別で、目にする物が全て輝いて見える。 僕がそう言うと、祥吾さんは「雪がこの家に来た時から、俺は全てが輝いて見えてるよ」と言って笑った。 「さぁ、晴樹が起き出して来る前に飯を作るか」 「じゃあ、僕も手伝うっ。あっ…うぅ」 「どうしたっ?」 僕は起き上がろうとした身体を倒して、涙目で祥吾さんを見上げる。 「祥吾さん…、腰が痛くて…起きれない…」 「あ〜…、悪い。俺が加減出来なかったから…。どこ?」 祥吾さんが申し訳なさそうに、僕の腰を撫でてくれる。 「ん…、そこ。…ふふ、祥吾さんの手、気持ちいい」 「そうか?」 片方の手で僕の腰を撫でて、もう片方の手で、僕の髪の毛を優しく梳く。それがあまりにも気持ち良くて、またウトウトとしかけた時に、祥吾さんの手が離れてしまった。 「…終わり?」 「んー、また夜にな。腰を撫でてるだけなんだけどさ、俺のコレがさ…、ほら」 「えっ、なんで?」 「俺が雪を好き過ぎるからじゃないか?どうする?湿布貼るか?」 「ううん、いい。祥吾さんのお陰で少し楽になった。でも、リビングまで連れて行って…」 ゆっくりと身体を起こして、祥吾さんに両手を差し出すと、「甘えん坊め」と言いながらも、とても嬉しそうに笑って僕を抱き上げた。 祥吾さんが僕をソファーに降ろして、肩から毛布をかける。そして頰にキスをして、僕から離れた。 暖炉に薪を足して、キッチンに向かう。 冷蔵庫から食材を出して、手際よく朝食を作る祥吾さんの後ろ姿を、暖炉の中の薪が爆ぜるパチパチという音を聞きながら、うっとりと眺めた。 やっと、祥吾さんと一つになれた。祥吾さんの力強い腕の中は、とても心地よくて暖かくて幸せだった。僕の耳元で愛を囁く低い声が、頭の中を蕩けさせて全身が痺れた。僕の奥深くに吐き出された熱が、僕の中に浸透していくようで、大好きな祥吾さんのモノが僕の中に入ったことが、とても嬉しかった。 こんな幸せな朝は、初めてだ。 セックスをしたのも、初めてだ。 初めてが、祥吾さんで良かった。 そう、思いたかったのにーー。 気づいてしまった。 僕は、こんな朝を、知っている。

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