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第2話
「……幸せだった。ずっと、大好きだった人と1つになれた……この思い出さえあれば、この先、生きていける……キヨ、ありがとう……」
カイの言葉に、我に返る。
なんだよ? その最後のお別れみたいな言葉……。
カイのいない人生なんて、考えられない。
絶対に、誰にも渡さない。
生れた時から一緒だった。
世界中の誰よりも、カイの事を知っているし、誰よりも愛している。
カイだって、俺の事をこんなにも愛してくれている。
俺たちを引き裂くことは、「運命の番」にだって出来ないし、させない。
どんなことがあっても、俺はカイから離れない。
「このまま、知らんぷりしよう」
「………」
「発情期って、1週間だけなんだろ? おじさんとおばさんが帰ってくるのは、ちょうど発情期が終わった後だ。このまま家に閉じこもっておけば、誰にもわからない」
「……そんなこと、できるはずがない……次の発情期は? 3ヶ月ごとに、発情期は来るんだよ? 病院に行かないと抑制剤はもらえない……」
「大丈夫。俺が何とかする。カイは心配しないで」
俺は、ギュッと布団の上からカイを抱きしめた。
好きだ。好きだ。大好きだ。
愛しさが、涙となって溢れ出る。
カイの存在が、愛しくて仕方がない。
「キヨ? 泣いているの?」
カイが布団から顔を出した。
頬がピンク色に染まり、長い睫に覆われたアーモンド型の瞳が大きく見開かれている。
「やっと、カイの顔を見れた」
俺は、嬉しくなって、チュッとその赤い唇に口づけを落とした。
途端に、カイに頭を抱えられ、軽いキスが深いものに変化する。
カイの柔らかい舌が、俺の口の中を犯す。
上顎の裏や、舌の付け根……まるで、すべての形を舌に覚え込ませるかのような動きに戸惑う。
「カイ? これ以上すると、俺、とまんなくなるよ?」
この部屋の扉を開けた瞬間から、下半身が疼いていた。
理性を保つのも、限界。
「キヨ……抱いて……」
俺は、愛しくて仕方がないその体を優しく抱きしめた。
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