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第2話
2人分のサンドウィッチの材料を買って、また家に戻る。今日はお母さんがドラッグストアのパートだ。お父さんは家に居るが、ゴロゴロとしながらテレビを観ている。毎週のことだ。親は俺に干渉しないから好き勝手なことが出来る。一人っ子だし自由気ままだ。
スマホで和樹にLINEのメッセージを入れる。今日、何してんだよ、自転車で農林公園でも行かないか?お昼作ってやるよ。そう打つとすぐに既読が付いた。
「別に行ってもいいけど、サンドウィッチだけだと後で腹が減らねえか?お菓子買って持っていくよ。何でもいいだろ」
和樹は気が利く。いいところのお坊ちゃまなのに、逆に育ちがいいからなのか、貰えば貰いっぱなしということはしない。前に買って失敗したパーカーをあげたらデニムを貰った。サイズがぴったりだったので驚いた記憶がある。まあ、似ているような体形だから直ぐに分かったのかもしれないけれど。思い出すと自然と笑みが浮かぶ。似ているか、よく兄弟に間違われる。俺も和樹もサッカー部で体格がよくて細い。茶髪の頭をしていて色が白いところがそっくりだ。
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