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第3話

 ツナの缶詰を開けてボールに入れる。塩コショウをしてマヨネーズを入れた。ペロっと舐めてみると丁度いい味かげんだ。冷蔵庫の中にはレタスとトマトが入っている。野菜サンドを作ってもいいな。俺は不器用にトマトをスライスした。レタスにスライスチーズを挟んで完成だ。チーズはハムと一緒のサンドウィッチにも使った。気が付くと和樹からLINEが来ていた。 「取り合えずさ、チーズおかきと裂きイカを買ったから、他に欲しいものがあったら返信くれよな」  何だかつまみ系を買ったようだな。でもきっと高いものを選んでくれたんだろう。俺は、有難う、という吹き出しのスタンプを送った。  俺の家から和樹の家までは自転車で10分くらいだ。農林公園には和樹の家の方が近い。だから和樹の家に寄ってから目的の場所に行くのが最短ルートだ。俺は迎えにいくから待ってろよと、メッセージを送った。  俺の家は一戸建ての賃貸だ。お父さんは家を建てようと思っていたらしかったが、俺は一人っ子だし、ここは田舎だ。都会に出て結婚でもされたとき大きな家があると困ると思って、断念したらしい。でも俺はまだ彼女もいない。中学生のとき、告られたことがあるが何か違うと思って付き合わなかった。  ダウンジャケットを着てゆったりとしたデニムをはくと、お父さんにお昼はいらないことを言って家を出た。黒い自転車の鍵を開ける。茶色いサドルに跨って和樹の家に行くため自転車を漕ぎ始める。空のあまりの青さに感動を覚えた。こんないい日に家に引き籠っているなんて出来ない。

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