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第6話

 俺は言葉に悩んで空を見上げる。午前中は天気が良かったが午後は少し曇り始めてきた。でも天気予報は晴れだったから一時的な天気だろう。太った男の子はモジモジとしている。仕方ない。仲間に入れてやるか。俺は座れよ、と言った。太った男の子は顔をぱあっと明るくした。 「僕、原田っていうんです、原田たかしです」 「そう、原田くんは一人なの?」  俺は敢えて名字で呼んだ。 「うん、あの、僕、学校でイジメられてるから何時も一人なんだ。今日はここに来て良かったよ、知らない子に会えた。それに……」  原田くんは言い淀んだ。 「っんだよ?」 「2人ともカッコいいし。同級生なの?」  なんだよ、こいつ、初対面でカッコいいとか言うか?  俺たちはみんなでチーズおかきと裂きイカを食べた。俺の眠気は吹き飛んでいて風がビューっと頬を撫でた。午後から風が強くなっている。曇りがちだった空は風に飛ばされて雲が無くなり晴天に戻っていた。原田くんはリュックの中からスマホを出して、連絡先を聞いてもいい?と言って来た。和樹は根っからのお人よしだから、丁寧に連絡先を交換している。 「俺のことは和樹って呼んでくれよ、あ、こいつは佑太」 「宜しく、和樹くん、佑太くん」 「あ、ああ、どうも」  俺は適当に返事をした。何処の高校の学生だろう。この近所かな。 「イジメられてるって高校で?」  俺はずけずけと訊く。原田くんはウンと頷いた。イジメられてる子と関わったら大変なんだよな。でも冷たくするのも可哀想だ。

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