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第13話 芹人
「……あきら」
事後、どうやって家に帰ったのかはあやふやだ。まあ一応だが、元々使い慣れてた路地裏を彪を背負ったまま通り過ぎ、そして人目を避けて部屋に戻ったような記憶がある。
気付いた時には彪は俺が適当に着せたシャツのまま、ベッドの上に横たわっていた。
それは……確かに扇情的な光景だったが、手を出すつもりにはなれなかった。
「すきだよ、あきら……すきだ、ごめん……ごめん、あいしてる、わかってる……」
ただ、自分を嫌いに為ってしまっていて。
……どうしてあんな酷い言葉を彪に言えたのか解らなかった。どうしてあんな酷い行為を彪にしてしまえたのか解らなかった。俺は彪を好きなのに、愛してしまいたいのに……ああ、自業自得で胸が痛い。
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