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4月...2
次の日、学校に行くと南条さんはクラスの人に囲まれていました。
「ちょっと陽!昨日王子と2人でカラオケから出てきたってどーいうこと!?あんた大毅くんどうしたのよ!」
南条さん...席隣だったのか
「大毅とは別れた...それに王子と2人だったわけじゃないよもう1人...あっおはよう仲田君!」
「おっ...おはようございます(めっちゃ小声)」
相変わらず眩しい...けどやっぱ母さんに似てるからかな、南条さんが近くにいると少し安心する
「ねぇ、もしかしてそれって王子を射止めたっていう噂の彼女?」
へぇ...紗夜彼女いたのか
ズキ...
「....ん?ってかあんた!何大毅君と別れたって!」
「ちょっと由美声大きいから!もういいのよその事は」
大毅君って、昨日俺に膝蹴りしてきた子かな...一瞬しか見れなかったけどネクタイ赤だったし1年生だよね?多分
昨日あれから、母さんにこのこと話したら
『未練タラタラね!』
って言ってたけど。
俺が首突っ込めることでもないし
うん...関わらないでおこう
「で?」
関わらないで...
「で...とは...」
なんで俺は、噂の大毅君に呼び出されてるんだろう...
「あんた昨日陽に何しようとしてたわけ」
「何と言われても...彼女が泣いていたのでハンカチを貸しただけですが」
本当にそれだけなのに、急に蹴り入れられてのされて1日保健室にいたせいで、出来上がってるクラスの雰囲気に馴染めなかったですが何か
まぁいた所でクラスの輪には入れっこないけど
「...陽泣いてたの?」
「えぇ泣いてましたよ」
「そっか...」
何だろうこの違和感...てっきりこの子に酷い振られ方して彼女は、泣いていたんだと思ったけど
「君...別れたんでしょ彼女と「違う!あれはあいつが勝手に言ってるだけだ!俺は別れたつもりなんかない!...っ」
おぉう...彼も泣いちゃった...なんか俺昨日から悪者じゃないか...
「あの...とりあえずハンカチどうぞ」
「...ふんっ!」
うわ...人のハンカチで鼻かむ人アニメ以外で初めて見た...
「....ねぇ、あんた陽と同じクラスなんでしょ?今日陽どうだった?」
「どうって?」
「落ち込んでたりとか、なんか逆に空元気だったとか」
「特に...何も?」
ってかまず彼女の方見てないし、どんなだったって言われても分かるわけないだろ
彼女クラスでも人気ある方だし、そんな子を俺が見てたってなったらきっとクラスの奴誰かしらに変態って罵られるかもしれない...そしてそのまま彼女が好きな人と殴り合いすることになってまた俺は保健室に...そして俺のあだ名はひ弱で変態の根暗に...ってそれめちゃくちゃヤバいやつじゃん
「ちょっと、さっきから何ブツブツ言ってんの」
「どうせ、俺は根暗で本を読むこと以外に楽しみをみいだせない寂しいやつだよ」
「いや何も言ってないだろ俺...ねぇてかさそんな事より王子ってだれ?昨日陽とカラオケに2人で行ったってやつ」
「...あぁ紗夜?別に二人きりだったわけじゃないよ、俺もいたし」
「サヤ?何?王子って女なの?ってかあんたも一緒ってやっぱり陽のこと狙ってんだろ!」
「狙ってないし、紗夜は正真正銘男だよ」
名前は、紗夜のお母さんが生まれてくる子供は絶対女の子だって信じてたから性別ちゃんと確認しないまま、強引に付けちゃったからで...
華夜子さん多分お家の中で1番強いし...おじさんも言い出せなかったんだろうな...華夜子さん怒るとほんと怖いし...
「...じゃあその紗夜ってやつどこにいんの?今から殴りに行く」
「やめときなよ、紗夜柔道黒帯だから。それに今日は学校来てないよ」
今日は多分、華夜子さんが毎年やってるスプリングコンサートに付き合って大阪の方に行ってるはずだし
いつもは春休み中に行くんだけど
今回は華夜子さんが都合が合わなくて、結局新学期までずれ込んじゃったんだ
「は?しっ知らないし、じゃあ家教えろよ!」
「いいけど...紗夜の家セキュリティめちゃくちゃ厳しいから多分入れて貰えないよ」
「何だよそれ...本当の王子様なのかよ」
「まぁ、ある意味そうかもね」
昔から、紗夜はモテてたからこーいう争いが尽きなくて、その度に俺がサンドバッグになってきたんだ...みんな紗夜の容姿と強さににやられて悔しいからって
「紗夜そうじゃなくても強いから、きっと君じゃ勝てないよ」
言葉とか...紗夜、華夜子さんに似てるとこあるし
「んだよそれ...俺はどうすればいい訳」
どうすれば...と言われても...
「もう一度彼女に告白するとか?」
ってか別に紗夜と南条さんが付き合ってるって訳じゃないし、紗夜には恋人がいるみたいだし
南条さん多分まだこの子のこと好きっぽいし
「そんなかっこ悪いこと出来るかよ...俺から告白とか」
....は?
かっこ悪い?
「かっこ悪いって...南条さんと付き合うってなった時どっちから告白したの?」
「は?んなの陽に決まってんじゃん、陽が俺の事好きなの分かってたし、俺も陽が好きだったし、だから告白してくるようにしむけたんだよ」
これは...もし母さんだったら赤ん坊から出直してきなさいって言われるパターンだわ
好きって2文字を言うだけにどれだけの勇気と、努力がいるかあなたは何も分かってない!!!!
って昔のドラマで母さんが言ってた
「はぁ..,なんか振られた理由がわかったわ、どうせ君別れた時なんか言ったんでしょ、付き合ってやったのにーとか、付き合ってから好きだって一言でも言ったことある?」
「...なんでわかんだよ、ないよ」
「ほらやっぱり、そんなんだったら振られても文句言えないよ君」
「は?意味わかんねぇよそれと振られたことと何が関係あるわけ」
正直、恋愛経験皆無の俺でもわかる
「優しくしてくれてるから、いつもそばにいてくれてるからってそれが当たり前だと思うなよ」
いつ別れが来るかなんてわかんないんだから
って母さんが言ってた
「何様だよあんた、もーいいよ!自分でどうにかする!」
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