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5月1─2

次の日洗ったハンカチと一緒にチケットを無償でくれたお礼に俺がよく行く喫茶店のクッキーを買ってきた。 甘い物大丈夫かな 「邪魔」 「あっ大毅君、昨日の赤塚くん?いるかな」 「赤塚は、今日休みだよ」 「そっか...」 風邪ひいちゃったのかな...昨日結構風強かったしちょっと寒かったし 「それ昨日の?」 「うん、あとお礼のクッキー、チケット無償で貰っちゃったしね」 「あぁ...チケット陽に渡しといたから」 「ありがと、赤塚くんいないならまた来るね明日には来てるかな」 「知るかよ」 「そうだよね、じゃあまたお昼ね」 「ふん」 次の日、また教室に行ってみると この間とは打って変わって、キラキラのなくなった赤塚がいました 「邪魔なんだけど」 「ねぇ大毅君、彼どうしたの?」 「知るかよ、それより渡すもんあんだろ」 「うん...」 「呼んできてやっから待ってろ」 そう言って大毅君が彼に近づき 彼が顔を上げた瞬間 俺は目を疑った 綺麗な翡翠の瞳がまるで泣き腫らしたように、腫れぼったくなっていたからだ まるでじゃない...泣いたんだきっと 「...先輩?僕に用って?」 「へっ?あぁこれハンカチを返しに来たんだ。 あとこれ、俺がよく行く喫茶店のクッキー 口に合うか分からないけど紅茶の味のクッキー...なんだ...けど」 えっ... ポタリとひとつぶの雫が、俺の手に落ちた 見上げると、彼がその綺麗な瞳からぽたぽたと涙を流して、あの赤い糸のついたシャー芯入れを握りしめていた 「...どこに」 「え?」 「これ、どこにありました?」 「あっあぁハンカチに包まれていたんだよ、大切な物なのかなって思って...っ」 涙の雫と相まって大きく見開いた瞳が、宝石のようにキラキラと輝いていて、息が止まってしまうほど美しい... 「おい」 ガっと大毅君に首根っこ掴まれて彼から離される 「あやちゃん」 「紗夜...」 なっなんか紗夜の声が怖い...とても振り向きずらいっ そんな事考えてたら急にガバッと赤塚くんが抱き着いてきた 「ずっと...探していたんです昨日...1日中探しても見つからなくて...もしかしたら学校にあるかもって今日も通学路探しながらいつもより早く来て、校庭とか部室とか...でもそっか道理でなかったはずだ、貴方が持っていたのだから...もっと早くに気がついていたら...あぁ僕って本当にバカ...本当にありがとう先輩、これとても大切な物なんです。俺が演技する上でなくてはならないもので」 赤塚くん...声も身体も震えてる よっぽど大事なものだったんだな 「返せてよかった」 捨てなくてよかった キーンコーンカーンコーン あっ予鈴...早く教室に戻んないと 「赤塚くんっあのそろそろ離し...っ!?」 「Danke」 離れ際にほっぺにキスされちゃった...なんか本当に王子様みたいな子だな 「あやちゃん...今の子誰」 「演劇、楽しみだね」 「ちょっと、答えになってないんだけど」 あっでも紗夜の分のチケット無いのか...紗夜に悪いけど3人で楽しも 「あやちゃん聞こえてる?」 ポンっ 「ちょっと、なんで君が僕の肩叩くのさ」 「ありゃ恋だな」 「はぁ?」 楽しみだなぁ あっでも女装なんだっけ 綺麗だろうなきっと 黒髪に翡翠の瞳の王子様... 「お前らー予鈴鳴っとるぞ、はよ教室もどれ」 「はーい」 「ちょっとあやちゃん話はまだ終わってな「授業始まっちゃうよ紗夜」...もうっ」 その日のお昼いつものように、大毅君と紗夜と一緒に屋上でお昼を食べていたら、彼がやってきた

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