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7月2...2

「...ふぅご馳走様」 「絢斗、あんた携帯見た?昨日ディナー行けないってメールしたんだけど」 「えっ?あっホントだ」 昨日あんな状態だったから連絡するの忘れてた...やめよ思い出すとなんか恥ずかしくなってきた。 「ごめんね、今日はちゃんと行きましょ私一日offだから 和毅もね」 「ハイハイ」 「ついでに買い物も付き合って、絢斗服買いましょう」 「えぇ?いいよ貰ってるお小遣いで自分で買ってるし」 それに母さんが選ぶ服ってなんか...なぁ ピンクのシャツとか俺が絶対着ないようなのばっかりだし 着る着ないじゃなくて似合ってるからいいじゃないって押し通されて結局買われちゃうんだけどね 俺は黒が好き何だよな...シンプルに無地のやつ 「だーめこの間洗濯したらあなたの服みーんな真っ黒なんだもの!前髪も!そんなもっさりダメよ」 「前髪はダメ!」 「美波、お前なんでそう毎度毎度俺の忠告忘れるんだ」 「何よ」 「お前達が街を歩いたらどうなるよ」 「そうだよ母さん、母さん一応まだ若いのにこんな大きい子供がいるって世間に知れたら母さん仕事無くなっちゃうよ?」 「そんなの分かってるわよ...でもだからって息子と買い物にも行けないなんて...」 母さん...泣いてるように見えて多分演技なんだろうな...さっきからチラチラ和毅さんの方見てる... 和毅さんも呆れたように肩すくめて珈琲飲み始めちゃった 「あ、ねぇ母さん」 「2人とも私の泣きになんのリアクションもしやしない...何よ」 やっぱり演技だったか 「父さんってどんな人?」 「あらなぁに?今までそんなこと聞きもしなかったじゃない」 まぁ...妊娠した母さん放って出て行っちゃうような人 どうせろくでもない人だと思ってたから 今まで気にもしてなかったけど 「何となくね、俺って母さん似なんでしょ?だから面影も分からないなって」 「まぁねぇ...俊樹は...」 としきっていうのか 「優しい人だったわね」 「そうだな、その上人の為に号泣するようなお人好しだ」 「和毅さん知ってるの?」 「おう、今までお前が聞いてこなかったから特に答えたりはなかったけどな」 「ふぅん」 なんでそんな人が、母さん置いて出てっちゃったんだろう 「あともうひとつ、あんじゅってこ知らない?」 「...母さんその話はしたくないな」 ゾクッ... なんだ...母さん口は笑ってるけど目は笑ってない なんだろう...あの子なんなんだろう 翌週、学校に行くと彼女が校門の前に立っていた 「あっ先輩おはよ」 「おはよ、彼待ってるの?」 「うん、今日は私早起きしちゃったから天気いいし散歩しながらきたんだ」 「そっか」 普通にいい子...だよな ...あれ? 「定村さんその肘どうしたの?」 「えっ?あっこれは....あっ大河ぁ!」 彼女は、そのまま逃げるように行ってしまって 結局その日1日見かけることも無く終わってしまった んー...聞かれたくない事だったのかな もしかして大河君にはそういう趣味が...? 定村さんも、甘んじて受け入れてるとか...! っていう事にしておこう 何か大きな問題なんだとしても、俺なんかが踏み入っていい事じゃないだろうし 咲良ちゃん達の時は、母さん達が知り合いだったから丸く納まったけど 今回はなんか母さん定村さんの事苦手っぽいし 「愛珠...お前アイツと仲いいの?」 「...お兄ちゃんには関係ない」 「...そうか」 19日は更新おやすみです。

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