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7月...3

夏休み、俺は補習を免れて 毎日家でゴロゴロ...という訳にもいかず(母さんに勉強しなさいって怒られるから) とりあえず図書館来て教科書広げて、音楽聴きながら外を眺めてる ふぅ...暇だ ...紗夜の事で散々泣いた日からずっとなんとなく恥ずかしくて紗夜に会えずにいる 世間一般でいう普通の生活を紗夜から奪いたくないという そもそも紗夜が俺のこと好きかも分からないのに勝手にそんな心配して、勝手に落ち込んで 恥ずかしくて堪らなくて、メールもずっと無視だし 電話もマナーモードにして気が付かないようにしてる 「はぁ...」 でも紗夜、家に来るってことは無いんだよな 今までだったら勝手に入ってきて、無理やり俺の部屋のドアこじ開けるくらいするのに ブブッ ...また紗夜...じゃない咲良ちゃんだ 写真? 「えっ?」 それは紗夜が、俺の知らない女の子と手を繋いでどこかのお店に入っていく写真だった 【いま、たまたま見かけてすごい親密そうだった】 知らない...紗夜のこんな笑顔俺、知らない なんだ...彼女いるんじゃんか 俺の変な心配なんて全然必要なかったじゃん 「なんだよ...」 将来安泰、美人な彼女もいる 俺なんかよりよっぽどいい人生じゃないか あほらし...帰ろ 「あれー?先輩だ」 「定村さん」 「へぇ、勉強してたんだ」 「まぁね、やる事ないし」 肘の怪我...だいぶ良くなったみたいだな 良かった 「ごめんね、こないだ変な態度とっちゃって」 「ううん全然、今日は1人?」 「うん、あんま家いたくなくて...そうだ先輩この後暇?」 「え?うん」 「じゃあ行こう!」 「ってどこに?」 「いーとこ♡」 語尾にハートが見える... でもま、楽しそうだしいいか 男性が苦手だって大河君は言っていたけど 「先輩ー!早くー!バス来ちゃうよー!」 「今行くよ」 普通そう...だよな俺といる分には 『あやにー!こっちよー!』 『まってー!─────ちゃん!』 また...一体なんのフラッシュバックなんだ

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