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8月2...2

「...あれ?コイツ」 「うーん...どっかで...あっ屋上にいたお兄さん...かな?似てる人?」 「た...ぶん」 屋上でよく見るお兄さん...とは黎二さんとは、えっと...少しだけ違うかな 俺の知る黎二さんは、食べ盛りで運動にも手を抜かないような、なんというかその...健康的な人、だけどこの人は 身体中管だらけだし、人工呼吸器つけてやっと息してる...って感じ まぁ何年も眠り続けてるような大事故だったのだから仕方ないのかもしれないけど この状態の恋人を、この美姉さんは何年も見守り続けて 「...っ」 もし紗夜がって考えると...俺は耐えきれずに死んじゃうかもしれないな...この美姉さんはどれだけこの辛さを味わってきたんだろう... 次の週学校に行くとやっぱり彼はいた 思えば最初からこの状況をおかしく思うべきだったんだ 真夏だというのにこの人はブレザーを着ているし それにそのブレザーは俺がよく知るブレザーとは少し違う 確か母さんの制服がこんなだった 夏の暑さに呆けて頭の回転が悪くなっていたから、気がつくのに少し時間がかかったんだ 「昨日、病院に行ってきたんです」 「はぁ、どっか悪いのか?」 「違いますよ、あなたに会ってきたんです」 「...俺?」 「そうですよ、貴方です。 貴方は数年前事故にあって今でも病院のベッドで眠ったまま...周りのお医者さんももう諦めたほうがいいって言ってるんです。」 本来ならこんな事、本人には言わない方がいいんだろうけど 「...そうか」 「動じないんですね」 「大学にな...通っていたような記憶があるんだ」 曖昧だけどと言いながら 彼は少しだけ寂しそうに笑った 「でも、そこから先の記憶がない...だからいつも夢だと思ってた」 「貴方の体は、まだ生きようとしてます。 意識が戻ればこの美姉さんもきっと喜ぶ」 ...これは俺の勝手な願いだけど、でもこの美姉さんには小さい頃からずっとお世話になってきたんだ 俺にでも叶えられる願いがあるのならば ...って言ってもこれは死者を蘇らせるようなものだし...できっこないんだよなぁこんなクズに... 「...俺の体、どんなだった?」 「...身体中管だらけでしたよ、かろうじて息をしている感じでした。」 「そうか...でもなぁ戻り方がわかんない事には、俺も戻れんしなぁ」 「ですよね...」 ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙...無責任にも程があるよおれぇ... でもまだ生きてるんだ、何かいい方法は無いのかな

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