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Bad Day④

ダニエルは仲のいい友達に見せるような笑顔で言った。 「僕、セックスってペニスを出し入れすることがすべてだって、ずっと思い込んでました」 「ハア?んなわけねえだろ」 世の中には、縛ったりシバかれたりアソコを見せつけたりするのがペニスの出し入れより好きな変態がごまんといるのだ。 「僕、彼女に振られたばっかりなんです。 僕ゲイなんですけどね。あっちからどうしてもって言われて。 僕も試しに女の子と付き合ってみようかなって気持ちもあって」 「それ一番ダメなヤツ」 ですよね、と苦笑してから 「でも、アノ時どうしてもダメで。 こないだ初めてシたんですけど、そもそも勃たなかったり折れちゃったりして。 もう僕も彼女もプライドズタズタ。 今日、男の人とシてもダメだったらどうしようって、ホント思ってました」 ダニエルは笑いながら鼻を啜った。 俺はティッシュの箱を渡すと、すいません、と鼻をかんだ。 「ま、ツイてなかったな」 「そうですかね」 「俺も調子悪いときはそうだしな。男同士でも」 「そうなんですね」 「そ。ツイてない日だったのさ」 アハハ、とまた子どもみたいにヤツは笑った。 俺はベッド脇のデジタル時計に目をやった。 まだ時間は半分以上残っている。 「もう一回」 俺はダニエルを押し倒した。 ダニエルはえっと、と頬を指で掻きながら 「今度は、僕が上でもいいですか」 と聞いた。 「もちろん」 俺はセックスが出来ればそれでいいのだ。 ダニエルは悪戯っ子のように笑い、俺達は親友のように抱擁を交わしてベッドに転がった。

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