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Just Push Play④
店を出てこの前のホテルに向かう。
「そういえばダニエルってなんですか」
「あ?お前ハリーポッターの俳優知らねえの?」
「なんですかそれ。僕祐次っていうんですけど」
「は?!今なんて?!」
「だから、ユウジっていうんです」
「早く言えよ」
自然と口の端が上がる。ちょっと楽しくなってきた。
部屋に入るや否や、靴を脱いで上着を放り出して、ダニエルを押し倒す。ネクタイを乱暴に解き、ジャケットとシャツのボタンを外していく。
いや、やっぱ我慢できない。
全部外さないうちに、はだけた肌に噛り付いた。
「鈴木、さん、スーツが」
ダニエル、じゃなかった、祐次が俺の肩を掴む。
「脱ぐから、ちょっと待ってください」
「いやだ」
ボタンを外していく祐次を無視して、乳首に吸いついた。祐次の体がびくりと跳ねる。
「脱がねえの?」
祐次は、あーもう、といいながらシャツを脱ぎ始めた。その間も俺が舐めたり手を這わせたり跡を付けたりするもんだから、スーツを纏ったまま悶える様をゆっくり鑑賞できた。
「今日はどうする?」
ズボンの膨らみをなぞると、祐次はギュッと目を瞑った。
「この前と同じでいいです」
見開いた目は熱を持っていた。
祐次はベルトを外して、ズボンも脱ぐ。その最中に下着の中に手を入れると、A♭の音が祐次の喉から飛び出した。
「邪魔、ばっかりして」
荒く息を吐きながら言う。
「お前が遅えんだよ」
手を上下に動かすと、すぐに水分が手にまとわりついてきた。わざと音を立ててやる。
「・・・っあ・・・」
祐次の手がシーツを掴んだ。首を捻ってめいいっぱい顔を背けている。
「鈴木さ、待って」
「やだ」
俺のも限界で、祐次のと同じ速さで擦った。
祐次より少し遅れて、俺は久しぶりに射精した。
ティッシュで拭く時間も惜しい。擦れて裾が丸まるTシャツもごわつくジーンズも邪魔だ。全部脱ぐと、祐次に覆いかぶさった。
「ユウジ」
名前を呼んだだけなのに、背中がゾクゾクした。
「鈴木さん、すごい顔してますよ」
「は?」
「すごいエロいです」
祐次は俺の頭を掴んでキスしてきた。
ヤツは舌で口の中を搔きまわすと、そのまま唇は耳に移って、首から肩に降りていく。
「もうちょっと上に来てください」
胸が祐次の顔くらいに来ると、祐次は俺の乳首を食んだ。歯を当てながら吸われると不覚にも背中が反った。横になろうとすると祐二の手が腰を抱く。
我慢しろってか。
反対側も同じように嬲られて、気持ちいいけどいい加減体重を支えている腕が痛くなってきた。
膝を祐次の股間にぐっと押し付ける。
「痛っ・・・」
勃ってたからな。
さ、今度はどうやって虐めてやろうか。
「鈴木さん、交代していいですか」
まあ、それもいいかもな。
頷くと祐次は起き上がって、首から腹にかけてキスを落としていき、それからちょっと俺の顔を見て、足の間に顔を埋めた。もう勃っていたソレに下から上へ舌が伝う。背中に小さな稲妻が走った。
「イイんですか」
「ん、先の方咥えて。全部入れるよりそっちのがいい」
「わかりました」
祐次はニヤっとした。随分ヤラシイ顔するようになったな。
亀頭全体が口に包まれて、転がすように舌で弄ばれる。声が出そうで、代わりに深く息を吸って吐いた。
下の方も手で擦られると、久しぶりだからかもうイキそうになる。
と、急に先が空気に晒されてヒヤリとした。
何で離すんだコラ。
「我慢してくださいね」
お返しです、とニコリとする。
この野郎。ホントヤラシイ奴になったな。
仕返しに祐次の身体をベッドに倒してやる。
お互いを食い合うようなセックスは、時間ギリギリまで続けられた。
「あーあ、スーツぐしゃぐしゃ」
祐次と俺は駅まで一緒に歩いた。祐次のスーツはシワクチャになっている。
「でも、スッキリしました。就活でストレスヤバくて」
そうそう。それでいいんだ。
セックスでストレス発散して何が悪い。
「じゃあまた」
改札をくぐる祐次は晴れ晴れとした顔だった。
ちゃんと勉強して就活して身体を動かして発散して、祐次はめちゃくちゃ健全なヤツだと俺は思う。
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