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莉音先輩とデート

颯太から連絡が来なくなって2年が経った。 陸也と颯太のお母さんが捜索願いを出すも見つからなかったそうだ。 俺はもうすぐ大学を卒業する。 教授から渡された、颯太がおいていったもの。 権限願書。 それには俺と燐。 特に俺が何年かかろうと絶対に卒業までさせることが書いてあった。 颯太の文字で。 俺はこのまま大学院へ進学する。 颯太がいつか必ず帰って来るって言った。 俺のもとに。 だから。 信じて待つことにした。 そう。 だから、どんな形でも。 *************** 「由貴くん。久しぶり!」 「莉音先輩!」 莉音先輩はたまに連絡くれる。 藤澤さんが言うには颯太がいなくなってから俺が死ぬかもしれないって。 心配なんだそうだ。 そして。 今日は莉音先輩と買い物。 「あー楽しかった!やっぱり藤くんより由貴くんと買い物がいいわ」 「何で?」 「だって、藤くんてば。洋服にお金かけすぎって言うのよ?借金してないし、毎月貯金もしてるのに」 莉音先輩と藤澤さん。 実は付き合っているらしい。 「藤澤さんに聞いてみた?理由あるかもしれないよ」 「ん。そうだね!ね、由貴くん」 「何?」 「ご飯食べれてる?」 「……」 颯太がいなくなって。 飯が食えなくなった。 食べても吐いてしまうから。 だから。 今は一ヶ月に一回点滴打ちに病院に通ってる。 「由貴くん。誰か言われても何も気にしちゃだめよ?ねっ?」 莉音先輩は優しい。 颯太と同じくらいに。 っ!? ヤバイっ。 「由貴くん?……お手洗い行こうか?」 「ゴホッ」 颯太のことを思い出しただけで吐きそうになるってどんだけ俺は脆いんだよ。 嫌になる。 「大丈夫?」 「吐いたらスッキリした」 「今日は帰ろうか?」 「今日は病院の日だから」 「じゃあ病院まで送って行くから。陸也さんに連絡しといてね?」 「うん」 前に陸也に言わないで莉音先輩に送ってもらったら怒られた。 お姉ちゃんが言うには俺をかなり心配していたそうだ。 『で、そのまま行くのか?』 「うん。莉音先輩が送ってくれるって言うから」 『じゃあ終わったら連絡しろよ?』 「わかった」 そして。 病院に到着した。 「莉音先輩?」 「私、今日夜勤なのよ!」 「夜勤前に」 「いいの。私が由貴くんと遊びたかったから」 そして。 受け付け行くも前の患者の診察が長引いてるらしくて待合室でしばらく待つことにした。 何だかダルいな。 久々に外で遊んだからかな? 「あ、起きたかい?」 「先生?」 「熱あるね。病室で休もうか?」 「大丈夫だから」 「大丈夫。キミの家族には連絡したから」 頭を撫でられるとそれが気持ちよくてそのまま眠りについた。

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