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第2話 お気に入りの場所にて
「お前さ、いつも思ってたけどむかつく顔してんな!俺には悩みなんてありませーん、みたいな顔しやがってよ!!」
「そーそー、いっつも無表情で話してもつまんねーしよ!!」
何なんだろう?この人たちは…
クラスメイトなのは確かだけど、そもそも話したことも言ってしまうなら目すら合ったことはないだろう
事の起こりは10分前ーー…
僕は、お昼休みの時間いつも通りの時間にこの高校に入学したての頃見つけていた場所で自分で毎朝作っているお弁当を広げていた
ここは、人も来ないし、日陰で冬は少し寒いがそれ以外は結構過ごしやすく気に入っている体育館の裏の隅だが屋根もあるので天気も関係ない
そこに何故か結構立派なソファがあって、見つけた時埃が被っていたのを綺麗にして使っていた
座り心地も最高、大きさも小さな僕が横になって寝る分にはちょうどいいのでとてもいい感じだ
誰かが置いたのは確かだが、入学してから1度もここに人が来るのを見たことはないし、多分卒業生が置いたのだろう
とにかく気に入っているソファで今日もお弁当を食べていると、僕の足元に屋根ではない影ができた
なんだろうと思い顔を上げたのが10分前
目の前には髪を明るい金髪と茶髪にしている2人がいた
どちらも同じくらいの身長で、耳にはピアスを付けているし手や首にはシルバーのアクセサリー
僕からしたらヤンキーという単語しか当てはまらない人達
そういえば、こいつらはクラスで騒がれてる奴らじゃないだろうか
話に加わったことがない為よく分からないが、多分そうだ
皆遠巻きに見てる癖に話題はいつもこの2人
そしてそれから10分間なんだかよく分からない事を延々と言われている
「そもそもこんな誰も来ない隅で1人ご飯食ってるとか切ねー」
「ギャハハ!確かにー」
もう何なんだこの人たち
座り込んで大声で話すし
人が来ないから気に入っていたのに、普通の生徒が来るならまだしもこんなうるさい人達が来るなんて最悪だ
ていうか、悩みがないからなんだ
悩みがあることがそんなにすごい事なのか、悩みがなくちゃダメなのか?
そもそもこいつらの持っているらしい悩みはそんなに人のこと言えるくらいに凄いものなのだろうか
悪口を目の前でヤンキー達に言われている恐怖や悔しさよりも頭の中はそんなことばかりだった
「聞いてんのか?!」
茶髪の方が立ち上がりながら僕を睨みつけ言った
というか、この話は聞かせるためにしていたのか
ああ、明日からの場所また考えないとな…
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