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第3話 見つけた写真

はあぁぁぁ… 深いため息が出る 昼休みも後5分しか残っていないのにこいつらはまだ居座っている いまだに話題は僕の悪口だ 暗い、キモイと小学生でも言うような悪口から友達がいないこと、容姿のこと、僕の性事情の想像まで 昼休みは1時間もないのに、こんなつまらない話題で潰されるなんて日頃から僕は何か罰の当たるようなことをしていたのだろうか 「お前、ため息ついただろ」 「……」 「無視してんじゃねーよ」 茶髪の方はソファの背もたれに手をついて体を屈め僕に顔を近づけてきた 金髪の方は座ったままニヤニヤしてその様子を見ているだけ あー、この2人イケメンなんだなーと今更気づく 本当に日頃の僕は何をしたんだろうか 「僕、戻りますね。明日からはもう来ないので好きに使ってください。ごめんなさい、ここ独り占めしてて」 きっとこいつらは昼休み以外にここを使っていたのだろう。きっと昼休みに毎日占領する僕が気に入らなかったのだ 「お、おう…?」 茶髪はゆっくりと体をどかした すぐさま僕は立ち上がり歩き出そうとする あ、ひとつ言いたい事あったんだ 「あの………悩みなんて誰でも持ってますよ。勝手に人の悩みとかないと思うの良くないと思います。それに、悩みってその人によって大きさ変わる物ですから……それも分からずに軽く言うのやめた方がいいですよ」 それじゃ、と食べきれずに包み直したお弁当を持って歩き出す 遅刻は確定 ここから5、6分かかるのに今は授業開始2分前 もう、他の場所でさぼってしまおうか この時間で他の明日から使う場所を探そう 「あそこ、気に入っていたのになー」 まぁ、僕の通う高校は敷地が他より広いのでまだ隠れているいい場所はあるだろう というか、ないと困る でも、あそこは特別だった 見つけた頃、埃まみれのソファの掃除をしているとソファの裏側から1枚の写真を見つけた そこに写っていたのは教室で撮られた1枚の写真だった オレンジ色の夕日をバックにして、読書中だったのか肘をついた手に顔を乗せて眠っている男の写真 写っている男はとても綺麗な顔で、綺麗な黒髪、腕まくりして出された腕は太いわけでも細いわけでもなく綺麗な形をしていた その写真を見た瞬間から僕はその人の事を忘れられない…

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