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第5話 暖かい場所
早速校舎を出て見つけた場所まで行こうとするが、何故か辿り着けない
周りが木、木、木…
地面はでこぼこで歩きづらいし
上から見るとそんなことはなかったはずなのになんでこんな事に?
「あそこよかったんだけどなぁ…」
これは行くなということなのだろうか
いや、でもせっかく見つけた場所だ。もうちょっと探してみよう
でも、あそこは本当に特別だったんだ
写真を見つけた時僕はその写真を持っていいものか分からずに元のソファの裏へ戻した
きっと僕が持っていたら、毎日毎時毎分毎秒見たくて見たくて仕方がないだろう
それくらい、惹かれる写真だった
だから、あの場所にいるとき僕は嬉しかったんだ
もしかしたら写真の人がここを使っていたのかもしれない
僕はその人と同じ場所にいるのかもしれない
そう思うと胸がほかほかした
でも、もう来ないと言ってしまったし、あいつらに見つかって持ってかれたり破かれたりしたらどうしよう
やだなぁ
「まぁ、僕が覚えてれば」
きっと写真を持っているより、頭の中に記憶しておいた方が何倍も大切な物に思える
あいつらが写真を見つけたらどうするんだろう…
見つからなければいいな
僕だけが知っていたいんだ…
考え事をしながら少し歩くと道があった
道と言っても綺麗に道になっている訳ではなく、ほんの少しでこぼこが無くなって歩きやすくなっているだけのもの
戻るにしても進むにしてもこれを歩く方が楽そうだ
「あるといいなぁ」
僕は奥の方へ歩き出した
でこぼこ道で痛くなっていた足が軽くなった気がする
数分歩くと拓けた所に出た
そこはさっき上から見た通りベンチに、上からは見えなかったが木で作られたテーブルまで
天気がいい為暖かいし、汚れた感じはしない
ここはいい場所を見つけたなぁ…
「暖かいなぁ」
確かに日差しは暖かいが、それだけではなくてなんとなく、なんとなくだけど、胸が暖かい気がした
早速ベンチに座ってみる
あー、今日はもうさぼって寝てしまおうか
そうしよう
きっと僕1人いない程度で誰かが騒ぐ理由でもない
そうして僕は眠りについた
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