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第10話 胸のムズムズ

さっきまでのモヤモヤはゆうちゃんやきーちゃん達と話しているうちになくなった さっきまでは気になって仕方がなかったけど楽しい時間に流されて忘れていってしまった 「そーいえばさー」 「んー?」 少し静かになり、みんな自分のしたいことを始めた 僕はゆうちゃんのオススメの漫画を読み始め きーちゃんは携帯をいじっているし、ゆうちゃんは最新巻の漫画を読んでいる きーちゃんの切り出しにゆうちゃんが漫画を読みながら反応する 「サクちゃんもあのソファの場所戻ってきてよー」 「あー…、佐久、ごめんな。今日どこで食べてたんだ?なんか、あそこ佐久の場所だったのに俺達が居座っちまって今日居心地悪かったからさ…戻ってこいよ…」 ゆうちゃんが寂しそうな顔をして言う 別にいいのに ゆうちゃん達があそこに来たことは確かに嫌だったけど、こうしていて楽しいし それにあの暖かい場所を見つけた 逆にありがとうだよ… でも、あそこは絶対にゆうちゃん達にも秘密 だって静かだからこそ暖かいんだもん きっとあそこがこんなに楽しい場所になったらもっと違う感覚がするのかもしれない それはいいことなのかもしれないけれど、僕はあの暖かい包まれるような感覚がとても気に入っていた 「じゃ、じゃあ戻ったら、一緒にご飯食べてくれる…?」 「…!あったりまえだろ!!」 ゆうちゃんはこれ以上ないくらいに綺麗に笑った あぁ、僕本当に友達ができたんだ…って実感で胸がムズムズして少しだけくすぐったかった 「サクちゃんサクちゃん、」 「ん?」 「俺もごめんね?」 きっと意外と周りに気を使うきーちゃんだから話に割り込めなかったのだろう、申し訳なさそうな顔で言ってきた しかられた子供みたいだ 「ううん、大丈夫。きーちゃんも一緒にご飯食べようね」 「ありがとー」 なんだか、2人とも僕より大人っぽくて、かっこよくて、綺麗なのに所々小さな子供みたいな雰囲気を出す それがなんだか嬉しくて 「どーしたのー?」 「んーん…分かんない…」 「えー、またー?」 僕は次はなんだか分からないさっきとは別の胸のムズムズに悩まされた

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