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第15話・堀川

  「わ、悪い、出ちった。ほらティッシュ、出せよ」 「んっ……、いいって」 「おまっ!? はっ!? お前、飲んだのかよ!?」 「あんな喉の奥に出されたら飲むしかないだろ? んんっ」 「あ……悪い、本当ごめん。気持ち良かったから、つい」 「はは、いーって。気持ち良かったんだ。へー」 「童貞には刺激強すぎんだよ、なんだよ『堀川のチンポおいしい』って」 「あー、AVの真似? 気分上がるだろ?」 「上がりすぎたわ、まだムラムラする」 「うわ、マジですげーなお前のチンポ。またギンギンじゃん」 「ギンギン。あー早く童貞捨ててー」 「黒髪清楚な巨乳はどこにいんだろーな」 「はは、絶滅したかな」 「穴はあるけどな、ここにも」 「は」 「……男の穴も気持ちいいらしいけど、使う?」  ゆっくりと脚を開く三上に、俺は口を開けたまま動きを止めた。  あー、俺もしかして、もう寝てるのかも。  そうだ、そうに違いない。  三上と一緒に寝たから、リアルな夢を見てるんだ。  ……ってことにしておこう。 「マジ? そういや真山も気持ちいいって言ってたんだよな?」 「ああ、ヤバかったらしい」 「へー。でも、あん時のお前、絶対ヤダっつってたろ?」 「そりゃ、真山には嫌だよ、病気持ってそうじゃん」 「あー」 「堀川はその点、童貞だろ?」 「ははっ、その点ってなんだよ」 「童貞なら病気持ってるわけないもんな」 「ああ、まあ確かに」 「絶滅寸前の黒髪清楚な巨乳に会う前に、俺で練習しとけば?」 「練習?」 「そ。練習。挿入する前にイっちゃった、とか絶望的だろ」 「もしやお前のことか」 「うっせ」 「ごめん」 「まあ、だから、堀川くんの友人としては? 堀川くんにはそういうことのぉないようにだぁねぇ」 「世界史の織田!」 「正解!」 「イェーイ!」 「だからさー、彼女が出来て、失敗しないためにも、ダチの俺で童貞捨とけばいいじゃん」 「マジかよ」 「マジマジ。練習大事」 「三上ー! 俺のために身体張ってくれるなんて、マジで嬉しい。持つべきものは顔のいい友人だな!」 「だろー?」 「じゃ、お願いします!」 「いーぜ。あ、ちょっと待ってて」 「なに?」 「ローションとゴム」 「え、お前そんなんカバンに入れてんのかよ。さすがモテ男」 「まあな。つか、つけ方分かる?」 「あ、ああ、まあ……つうか、これ」 「あれ。小さいか。入んねーな。お前デカイの持ってねーの?」 「持ってるわけないだろ、童貞の俺に聞くなよ」 「はは、そうだった。じゃ、生でいいか」 「マ、ジかよ」 「あ、女子とヤる時は絶対つけろよ? 妊娠するかもだし」 「女子と生でヤるわけねーだろ」 「ははっ、ま、俺には生で中出ししてくれていーよ。男だから妊娠しないしな」 「わあ、黎人くん、おっとこまえー」  いやいや、待てよ。  何この会話。  何この展開。  本当に現実?  俺、いつの間にか死んでる?  つか、三上はなんでそんなに抵抗感ないわけ?  フェラしようかなんて言い出したり、ザーメンごっくんしてくれたり、さらにはケツ使っていいよ、とか。三上はマジで何を考えてるんだ?  軽く乗ってみたけど、本当にガチでセックスしてもいいんだよな?  もう引き返せないんだけど、いいんだよな!?  ……なんてな。アナルセックスなんて、日数かけてケツの穴を拡張しないと無理だ。しかも、俺のサイズのが入るわけがない。三上はそんなの知らないだろうから、簡単にこんなこと言うんだろう。  だから、フリだけでもいい。先っぽだけでも、いや、指を挿入させてもらえるなら万々歳。素股させてくれるだけでも嬉しい。全身舐め回すだけでもいい。キスはさすがに出来ないだろうけど、乳首舐めたり、ケツ穴舐めたりしたい。チンポも舐めたい。はは、結構欲張りだな、俺。  こうなったら、できるとこまでやってやる……! 「じゃあ、先輩」 「先輩?」 「三上は先に童貞捨ててるから先輩だろ?」 「あーなるほど」 「先輩の抱き方、俺にレクチャーして?」 「いーぜ」  三上は、ふっと笑うとベッドに背中をつけて寝転んだ。そして、来いよ、と俺に向かって手を伸ばす。  白くてなまめかしい肉体。煌々と照らす蛍光灯の明かりは安っぽいけど、三上の身体は新雪みたいに無垢で美しく輝いていた。  バレないように何度も唾を飲み込み、その姿を目に焼き付ける。 「まずは、愛撫からな。キスとかして、雰囲気を高めんの」 「キ、キキキ、キス!? くくくく、口に、口にすんのっ!?」 「あー……唇へのキスはあれだな、本番にとっとけよ」 「あ……ははは……そうだな。で?」 「頭を撫でたりとか、首筋とか鎖骨にキスしたりとか」 「なるほど。キスマークの練習はアリ?」 「いいぜ、吸ってみ?」 「こう?」 「んっ……、ついた?」 「ついた。お前色白いから、すげぇ目立つな。次は?」 「あとは軽く甘噛みしてみたりとか」 「痛くないか?」 「あっ……くすぐってぇ、いい感じ。で、脇腹とかお腹とかを優しく撫でて」 「胸は?」 「だー、だから童貞は。まだまだ。そこは焦らすの」 「なるほどー。どう?」 「ん、……ぁ、いい感じ……。で、女子が早くって目をしてたら、そっと胸に触れる」 「早くって目? どんな感じ」 「……今の俺、みたいな感じ」 「……なるほど」  三上はとろんとした目をして、俺を見つめていた。その目は、今すぐにでも犯して欲しいと訴えかけているようだった。  半開きの口からはあの赤い舌がちろりと出て、下唇を湿らして戻っていく。  エロい。ぶち込みたい。  衝動が足元から突き上げるが、息を止めてやり過ごした。 「胸、は乳首から?」 「乳首はまだ。焦らすんだよ」 「じゃ、周りから?」 「そう。優しく撫でたり、揉んだり……ふふっ、なんか手つきがヤラシー」 「童貞だからな」  三上の胸は、俺の筋肉で硬い胸とは違って、ふわふわとした感触だ。女子のAカップくらいありそうだ。  あーうちの学校、水泳の授業なくって本当によかった。  兄貴が通ってた高校の体育祭では、男子だけ上半身裸になって演舞とかしてたらしいけど、俺らのとこはそういうのがなくてマジでよかった。  こんなエロい身体、他の男には見せらんねー。 「んっ……はぁ、そろそろ、乳首、いーよ」 「ああ。摘まむの?」 「そ、摘まんだり、くすぐったり、ぁ……指の腹で、擦ったり、……んっ」 「あとは?」 「あぁっ……あとは、弾いたり……やぁっ! 舌で、ぁ、ぺろぺろ、したり……んんっ」 「ぺろぺろ、ね」 「ん、そう……あっ、あとは、揉みながら吸ったり……ンっ!」  乳首の感度高すぎだろ! エロイ、エロすぎる……!!  三上は俺が乳首を弄るたびに、身体をびくびくと震わせて、色っぽい声を出していた。  ぷっくりした乳輪に、男にしてはちょっと大きめの乳首。はかなげな薄いピンクで、AVのババアの汚い茶色乳首とは大違いだ。  柔らかく揉みながら、左右の乳首を存分にぺろぺろして堪能し、キスマークの練習な、と言いつつ、胸や鎖骨、脇腹や二の腕にも痕を残した。 「すげぇ、上手じゃん。……じゃ、そろそろ、シてみる?」  三上の言葉に、俺は大きく頷いた。  いよいよだ。

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