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「相川さんの手、すごく冷たい」
「いや、大丈夫だよ」
いけません、と晶はダウンを脱いだ。
あれよあれよという間に、制服も何もかも全て脱いでしまった。
「さ、榊原くん!?」
「人肌で温めます。僕を、毛布の中に入れてくれますか?」
毛布の下は、全裸の凌介だ。
ひどく気恥ずかしかったが、何だか冬の山に慣れていそうな晶の言うことは、聞かなくてはならない気がしていた。
「じゃ、じゃあ……」
床に座り込み、二人で一枚の毛布を巻いた。
晶は、その白い肌をぴったりと凌介に合わせた。
対面座位の姿勢は、成人男性の凌介にとってスケベなイメージしかない。
かたや晶は、何の疑いもなく腰までぐっと沿わせている。
互いの性器まで触れあっているのに、何の頓着もないのだろうか、この少年は!
「僕も、写真撮るんですよ」
「へ、へえ。そうなの」
会話がありがたい凌介だった。
何か話していれば、命の恩人に対していかがわしい妄想を滾らせなくても済む。
「相川さんみたいなデジタルカメラじゃなくって、フィルムを現像するやつです」
「ああ、最近若い子の間で流行ってるらしいね」
「僕も高原の写真撮ってたんですけど、天気が悪くなりそうだったから、この小屋に避難してたんです」
「そうだったんだ」
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