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「僕、地元だからこの辺詳しくて」
「あ。そしたら、麓のカフェ知ってる?」
「ヒゲのマスターの」
「そうそう。彼に忠告されたんだけど、無理して登っちゃったんだよね」
「冬山に登るにしては、軽装だと思いました」
でも、と凌介は両腕で晶を抱いた。
「君のおかげで助かったよ、ありがとう」
そして、顔を晶にどんどん近づけていった。
「あ、あの。相川さん?」
「凌介でいいよ」
ついに、凌介の唇が、晶をとらえた。
軽くついばんで、囁く。
「お礼がしたいんだ……いいだろ?」
頬を染め、小さくうなずく晶がひどく可愛かった。
会話は妄想を生みはしなかったが、互いの親密さを増していた。
凌介はもうこらえきれずに、晶を求めてしまったのだ。
「キスとか、慣れてないの?」
「は、はい」
じゃあ、いっぱいしてあげる、と凌介は晶をたっぷりと可愛がった。
唇を舐め、開いた隙間から舌を差し入れた。
舌を絡めて擦り合わせ、くちゅぴちゃと唾液を鳴らして食んだ。
歯列をなぞり、上顎をくすぐり、晶の息が早くなってきたところで、ようやく解放した。
「どうだった?」
「す、ごいです……」
目をとろんとさせて、晶は夢見心地だ。
では、と凌介はそのしなやかな肢体を味わいにかかった。
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