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第一章・14

「おい、御影」  翌日、そう駿を呼んだのは、2年生の男子生徒だ。  よく暴力をふるうβなので、駿は少々身構えた。 「な、何ですか」 「3年の天宮司さんが、お呼びだよ。昼休みに、生徒会室に来い、って」  何やったんだよ、と声を潜めるβに、駿は青い顔を向けた。  きっと、昨日の返事だ。  というか、あれは元々篠崎さん宛の手紙で、名前もそう書いてある。  間違えて手紙を渡された、と知った天宮司さんは、僕を一体どうするんだろう。 (リンチかな……)  彼には、親衛隊が付いている。  彼らに命じて、僕をタコ殴りのボコボコに!?  それとも、輪姦!? 「悪夢だ……」  いくら暴力を振るわれることが多いとはいえ、いくらレイプされることが多いとはいえ、それに慣れてしまうなどありはしない。  痛みは残る。  体にも、心にも。  昼休み、死刑場に赴く心地で、駿は生徒会室へ向かった。

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