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第一章・15
意外なことに、生徒会室には伊織の他には誰もいなかった。
「読んだよ。手紙」
「……」
伊織の前に出ると、身がすくんで喋れなくなってしまう駿だ。
黙っていると、伊織の方からまくし立てて来た。
「どうして、私宛じゃないのかな? この手紙は! なぜ君は、私より篠崎を選んだんだ!」
「え!? え? え?」
『親愛なる篠崎先輩、僕はいつもあなたをお慕いしています。あなたは、僕の光です。一度会って、お話しがしたいと思っています。一度だけで、いいのです。お願いします』
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