22 / 223

第二章・3

 下足棟では、伊織の靴棚を開ける。  どさどさ、と大量の手紙がなだれ落ちた。 「すごい。これ、全部ラブレターですか!?」 「まぁ、おそらくは」  まんざらでもない顔の、伊織だ。  全部かき集め、駿はとりあえず自分の鞄に詰めた。 「差出人の氏名を書き出し、名簿を作っておいてくれ」 「はい」  そこへ、親し気な声が響いた。 「やあ、おはよう。天宮司」 「ごきげんよう、篠崎」  篠崎先輩だ!  駿の胸は、途端に高鳴った。

ともだちにシェアしよう!