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第二章・24
長いキスが、終わった。
駿の青ざめた頬は上気し、ほのかに色づいていた。
「今夜はここまでにしておこう。だが、来週の金曜日はどうかな?」
「来週のことを言うと、鬼が笑いますよ」
「それは、来年だ」
来週の金曜日が楽しみな少年が、二人。
伊織さま、今度はどんな表情を見せてくれるんだろう。
駿、今度はどう私と接するのかな。
「0時だ。金曜日は終わった。駿はひとまず自宅へ戻るといい」
「ありがとうございます。おやすみなさい、伊織さま」
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