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第二章・25

 笑って、二人別れた。    広いお屋敷から自宅まで、自動車で送ってもらった。  別れ際、運転手が駿に封書を手渡してきた。 「伊織さまからです」  何だろう、と受け取り部屋に入る。  点かないと解っていながら、電灯のスイッチを入れた。  料金を滞納していて、止められているのだ。 「電気が点いた!」  明々と、久しぶりの電灯が灯った。  まさか、とキッチンへ走る。 「ガスも! 水道も!」  ライフラインが、全て使えるようになっている!

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