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第三章 ジェラシー
それからの放課後、駿はにわかに忙しくなった。
天宮司家の人間が、学校まで自動車で迎えに来るのだ。
そして、伊織の屋敷へ連れてゆく。
家庭教師に勉強を習い、ジムで汗を流し、栄養バランスを考えて作られた夕食を食べた。
ただ、そこに伊織の姿はない。
一人で、それらの一連の流れを踏んでゆく。
『駿、君はまず、健康を。そして学力をつけたまえ』
そんな伊織からのメールを受け取り、駿は頑張っていた。
以前、伊織は言った。
『生まれてきた以上、君は幸せをつかむ努力をすべきだ』
伊織という光に導かれ、駿は努力した。
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