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第三章・3

 これからお屋敷に行って、いつものように勉強したりジムで運動したりするのだ。  しかし、そんな駿は、伊織と顔を合わせることはない。  同じ屋根の下にいる、というのに。  伊織さまと、お茶を飲んだり、花を見たりしたいのに。  会えるのは、金曜日だけ。  そう、僕は金曜日の少年だから。  そこまで考えて、ようやく駿はあることに気が付いた。 「僕の他に、木曜日の少年や、土曜日の少年がいるんだ」  そして伊織さまは、その少年たちと楽しく過ごしてるんだ。  きゅっ、と胸が苦しくなった。  何だろう、この感じ。  今まで経験したことのない、感覚。  なぜだろう。  急に、伊織さまに会いたくなった。

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