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第三章・4
屋敷へ到着し、駿は家庭教師に思い切って話してみた。
「先生、今日の学習を少し早く終わらせることはできませんか?」
「なぜかな?」
それはその、と駿は口ごもった。
伊織さまに会いたいから、とはとても言えない。
下を向いて赤くなってしまった駿に、教師はからかうような口調だ。
「誰かと、デートとか?」
「え! あ、そう。そうです。会いたい人が、いるんです」
若いっていいねぇ、と教師は微笑むと、うなずいた。
「今度の模試、ずいぶん成績が伸びたからね。ご褒美をあげよう」
「ありがとうございます!」
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