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第四章・2
二人は、お昼の学食でしばしば顔を合わせた。
篠崎は伊織に、駿のことを見かけたらよろしく頼む、と言われていたので進んで声をかけるようにしていた。
そうして二人で昼食を摂るのだが、駿の話の内容はいつも伊織のことなのだ。
『伊織さまが、菊人形を見せてくれました!』
『この制服、伊織さまからのプレゼントなんです!』
『伊織さまの描いた絵は、すごく綺麗なんです!』
「そ、そうでしたか?」
「そうだよ。御影くん、すっかり天宮司のファンだね」
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