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第四章・14

「どうしたらいいものか」  伊織は、そう呟いていた。  来たるクリスマス・イヴは火曜日。  ちらり、と横目で、隣に控える火曜日の少年を見た。 「君は24日の夜を、どう過ごすんだ?」 「もちろん、伊織さまのお傍に」  にっこりと、いい笑顔だ。  だが、伊織は知っている。  この少年には、恋人ができている。 (0時までは私の傍に居て、それ以降は男の元へ走るのか)  それでいい。  以前の伊織なら、そうだった。  そんな風に、割り切って考えていた。  だがしかし。

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