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第四章・17

 ダウンライトに浮かぶ、白い尻。  そこに思いきり腰を叩きつけ、伊織はセックスに浸ろうとした。  性交に溺れ、余計なことは拭い去るつもりだった。  だのに。 『もし、我慢ができないのなら。僕、伊織さまに抱かれても構いません』 『僕、伊織さまのを飲みたい……』 『伊織さまのなら、美味しいんです』  思い出すのは、駿のことばかり。  今、抱いているのは、火曜日の少年だ。  彼以外のことなど、考えてはいけないというのに。

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