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第四章・18
「あぁあ! い、おり、さまぁあ!」
少年が引き攣り、果てた。
興覚めだ。
私に抱かれた後、お清めとばかりに他の男に縋るのだろう。
伊織は、達することなくペニスを引き抜いた。
「あ……、伊織さま?」
なぜ? と振り向く顔は、無論のこと駿ではない。
「0時だ」
伊織はガウンを引っ掛けると、横になった。
「火曜日は終わりだ。行くがいい」
「はい。お情けありがとうございました、伊織さま」
少年が身づくろいをし、部屋から出て行くまで、伊織は動かなかった。
広い寝室に独りになり、サイドテーブルの携帯を手にした。
「メールを」
心はすでに、駿の所へと飛んでいた。
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